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ランダムな経験をロジカルに変換する [アウトライナー]

つくづく思うんだけど、モノづくりをしないホワイトカラーの仕事というのは、ランダムとロジカルの闘いだ。

一日の労力のほとんどが、ランダムなものをロジカルに変換することに費やされているといってもいい。

仕事が過去(経験)と未来(行動)から成り立っているとすれば、過去はランダムであり、未来はロジカルだからだ。

過去(経験)は、上司の指示も、クライアントの要望も電話も会議も頭をよぎった不安もアイデアも全てランダムにやってくる。

それはいくらメモしたとしても(あるいはいくらEvernoteにため込んだとしても)、そのままでは利用できない。ランダムなままではアウトプットにならないから。

アウトプットするためには、何らかのロジックの中に位置づけられなければならない。つまり、ランダムなものをロジカルに変換しなければならないのだ。

ホワイトカラーの仕事のほとんどは、煎じ詰めればその位置づけ・変換作業だ。そして、それはちょっと考えるほど簡単なことじゃない。しかも、いったん変換して終わりではない。状況は刻々と変化していくから、常に組み替えが発生する。

ロジックとは関係なく流れていくランダムな思考を、人に伝えられるような形に位置づけ、構成しなければならないという点で、それは長文を書くことに似ている。

その状況を最も有効に助けてくれる道具があるとすれば、それは長文を書くときと同様に、アウトライナーしかない。

出来事をアウトライナーで記録し、後からアウトラインにしていく。

その方法が素敵なのは、ランダムな経験をランダムなままキャッチした後に、ロジックの中に組み込んでいけることだ。しかも、一度組み立てたロジックを、状況の変化に応じていくらでも更新していくことができる。

それは記録でもあり、予定でもある。いわば過去と未来を同時に有機的な繋がりを保ったまま扱うようなものだ。

そしてもうひとつ。経験をいったんランダムなままキャッチしておくことで、ランダムであるが故の豊かさを切り落とすことなく体系化できる。これは、あまり意識されていないアウトライナーの美点だ。
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