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ボックスシートとは空が見える席のこと [Diary]

都市部の通勤電車といえば、あのベンチみたいなロングシートと決まっている。言ってみれば、どれだけたくさんの人間を詰め込むことができるかという設計の産物。

その数少ない例外のひとつが、東急東横線や大井町線を走っている東急9000系。各車両の車端部の一角だけが4人がけのボックスシート(クロスシート)になっている。どういう経緯でこんな中途半端な座席配置になったのかはわからないけど、貴重です(そのうち半分はシルバーシートなので、なおさら貴重)。

あるとき、この車端にしかないボックスシートの窓側にたまたま座っていて発見したのは、ボックス席は空を見上げることができるということ。

窓の縁に肘をかけて何の気なしに上を見上げたら、そこには青くて広い空と雲があった。ちょっと驚くくらい新鮮な感覚だった。軽い衝撃と言ってもいいくらい。

え、空が見えるから何だって?

考えてみよう。通勤途中に空を見上げたことがあるだろうか。そもそも空を見上げることなんて想像すらしないんじゃないか。ぼくは正直言って、空があることすら忘れていた。

やってみるとわかる。

心地よい揺れとジョイント音に身を任せながら、雲がゆっくりと動いていく様子を眺めつつ仕事に向かった朝は、何かが確実に違うから。

そんなわけで、最近好んでこの席に座るようになった。

この貴重な9000系、そんなに古い車両じゃないけど(80年代の登場だ)、そろそろ引退が近そうな予感がするので、今のうちにぜひお試しを。

ちなみにロングシートでものけぞれば空は見えるけど、きっと変な目で見られます。口も開いちゃうし。
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