優れた文章のアウトラインは美しい [アウトライナー]
はじめて就職した会社は、大手電機メーカー系列のソフト開発会社だった。
そこでの自分は何の役にも立たなかったし、ほとんど何も学ぶことはなかったけど(最低の新入社員だ)、ひとつだけすごく印象に残っていることがある。
それはある先輩が教えてくれた「優れたプログラムのコードは美しい」という話。
良いプログラム、つまり処理に無駄がなく動作速度が速いプログラムのコードは、見た目が美しい。
君たちはプログラマーとしての知識はほとんどないも同然だけど、美しいコードと美しくないコードを見比べればその違いはちゃんとわかる。美しいというのはそういう意味だ。
だから、与えられた機能目標を実現するという条件のもとで最大限に見た目が美しいコードを書く努力をしてほしい。それが、優れたプロクラムを作る近道だ。美しいというのはそれほど重要なことだ。
その会社は、いわゆるUIが問題になるようなエンドユーザー向けのアプリを作っているわけではなく、汎用機向けの業務用プログラムをCOBOLで開発しているところ(20年前の話だしね…)。
デザインとか美しさとは一見無縁の場所で、「美しさ」の重要性を説いていたその先輩の話にとても興味をひかれたのを覚えている。
ついでにいうとその先輩は、作業服がデフォルトだったその会社の開発者の中にあって、服装や持ち物にもとても気を使っていた。あんまり技術者には見えない、不思議な人だった。今どうしてるんだろう。
◆
なぜそんなことを思い出したかというと、ある本を読みながらそのアウトラインを作っていて、とても美しいと感じたこと。アウトライン上に展開されたロジックがというよりも、書き出されたアウトラインというカタチの「見た目」そのものがとても美しかった。
確かに、美しいアウトラインと美しくないアウトラインというのは歴然として存在する。
本を読みながらそのアウトラインを作っていくと、きちんとした書籍でもアウトラインの美しいものとそうでないものがあることがわかる。そして多くの場合、アウトラインの見た目の美しさとその本の「面白さ」は、確かに関係している気がする。
文章を書いていく作業というのは、凡庸だったり混乱してたりするアウトラインを美しく整えていく作業ともいえる。
どうにもアンバランスで美しくなかったアウトラインをいじっているうちに、ある部分を入れ替えることでアウトライン全体が引き締まり、明快で美しいカタチになることに気づく。すると、本文の出来も良くなる。
アウトラインの見た目の美しさといっても、ひとつではない。
深すぎない階層、各階層に含まれる見出しの数、見出しの下の本文に含まれる論旨の数、そういった要素をアウトラインという形に展開したときに生まれるシンメトリカルな美しさ。あるいは、あえてバランスを崩したリズムや間の取り方の面白さ。結論に向けて一直線に流れる力強さ。
いずれにしても、優れたプログラムのコードが美しいのなら、優れた文章のアウトラインもまた美しいはずだ。
そこでの自分は何の役にも立たなかったし、ほとんど何も学ぶことはなかったけど(最低の新入社員だ)、ひとつだけすごく印象に残っていることがある。
それはある先輩が教えてくれた「優れたプログラムのコードは美しい」という話。
良いプログラム、つまり処理に無駄がなく動作速度が速いプログラムのコードは、見た目が美しい。
君たちはプログラマーとしての知識はほとんどないも同然だけど、美しいコードと美しくないコードを見比べればその違いはちゃんとわかる。美しいというのはそういう意味だ。
だから、与えられた機能目標を実現するという条件のもとで最大限に見た目が美しいコードを書く努力をしてほしい。それが、優れたプロクラムを作る近道だ。美しいというのはそれほど重要なことだ。
その会社は、いわゆるUIが問題になるようなエンドユーザー向けのアプリを作っているわけではなく、汎用機向けの業務用プログラムをCOBOLで開発しているところ(20年前の話だしね…)。
デザインとか美しさとは一見無縁の場所で、「美しさ」の重要性を説いていたその先輩の話にとても興味をひかれたのを覚えている。
ついでにいうとその先輩は、作業服がデフォルトだったその会社の開発者の中にあって、服装や持ち物にもとても気を使っていた。あんまり技術者には見えない、不思議な人だった。今どうしてるんだろう。
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なぜそんなことを思い出したかというと、ある本を読みながらそのアウトラインを作っていて、とても美しいと感じたこと。アウトライン上に展開されたロジックがというよりも、書き出されたアウトラインというカタチの「見た目」そのものがとても美しかった。
確かに、美しいアウトラインと美しくないアウトラインというのは歴然として存在する。
本を読みながらそのアウトラインを作っていくと、きちんとした書籍でもアウトラインの美しいものとそうでないものがあることがわかる。そして多くの場合、アウトラインの見た目の美しさとその本の「面白さ」は、確かに関係している気がする。
文章を書いていく作業というのは、凡庸だったり混乱してたりするアウトラインを美しく整えていく作業ともいえる。
どうにもアンバランスで美しくなかったアウトラインをいじっているうちに、ある部分を入れ替えることでアウトライン全体が引き締まり、明快で美しいカタチになることに気づく。すると、本文の出来も良くなる。
アウトラインの見た目の美しさといっても、ひとつではない。
深すぎない階層、各階層に含まれる見出しの数、見出しの下の本文に含まれる論旨の数、そういった要素をアウトラインという形に展開したときに生まれるシンメトリカルな美しさ。あるいは、あえてバランスを崩したリズムや間の取り方の面白さ。結論に向けて一直線に流れる力強さ。
いずれにしても、優れたプログラムのコードが美しいのなら、優れた文章のアウトラインもまた美しいはずだ。
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