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タスク管理できないこと [Thoughts]

ドトールで隣に座ってた大学生四人組が、就活の話題の流れで、父親の残業の多さや母親の家事の効率の悪さについて語り合ってるのを聞くともなしに聞いていた。

「今はアプリとかもたくさんあるのに、親の世代には〈タスクを効率的に管理する〉という発想がない」そうです(あの画面はToodledoだったなー)。



彼らの親よりも上の世代に、タスクを効率的に管理する発想が希薄だったことはたぶん事実。でもあたり前のことだけど、世の中には「タスク管理」という考え方が通用しないことだってある。しかもけっこうたくさん。

たとえば彼らの言っていた〈家事〉。

一見タスク管理と相性良さそうだけど、いかに管理しようと家事には終わりがない。どれだけ効率的にこなしても、前と変わらない姿でそこにある。家事の大変さは、ひとつひとつの作業の難度にあるのではなく、終わらないこと、前に進まないことにある。「管理」できると思ってると気が狂うよ。

他にもいろいろ。

たとえば本当に〈好きなこと〉。管理するまでもなく一日中そのことばかり考えてるだろうから。別のことをしててもそのことを考えている。やるなと言われてもやってしまう。コンテクストもデッドラインもない。いくらでもやる。終わらない。「管理」なんかしようとすると灯が消えるよ。

たとえば〈人との関係〉。好きな人を口説いたり、セックスしたり、別れ話をしたり、病気の家族と生活したり、壊れた関係を修復したり、難しい交渉をしたり、そういうことを「タスク管理」で効率的に進めようとしても通用しない。セックスを「管理」なんかしようとすると肝心なときに、えーと、まあいいや。



そう考えると、現実の生活の中でいわゆる「タスク管理」の考え方が額面通りに通用することって、実はとても限られている。

あるべき成果と期限が決まっていて、進め方にある程度の裁量権がある(多くの場合)ホワイトカラーの仕事や勉強。それに類するフリーランサーや研究者の仕事。生活の中の雑務。他に何があるかな?

もちろんタスク管理とはそうした分野で行うためのものだし、その範囲内で行うならとても有益なものだと思う。

でも、その他の本来管理できないことを管理しようとして管理できずに苦しんでる人って、けっこう多いような気がして。



ところでこの子たちの親の世代って何歳くらいかな。彼らが今ハタチとすると、えーと・・・あっ。
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