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コインランドリーについてのあまり意味のない文章 [Diary]

熱を出した夜に、洗いたてのバスタオルに頭を突っ込んで寝たら見た夢。

ぼくはまだ子どもで、ひとりで外国のコインランドリーの椅子に座っている。たぶん両親が戻ってくるのを待っている。外は雨が降っていて薄暗い。

昨日この国についたばかりだ。初めて目にする異国の洗濯機や乾燥機は信じられないほど巨大で、音も圧倒的だ。そして洗剤の匂いは初めて嗅ぐもの。

突然大きな若い男が乱暴に扉を開けて入ってくる。乾燥機がまだ回っているのを目にして舌打ちし、また乱暴に扉を開けて出て行く。

後には男の体臭と洗剤の匂いが入り交じった空気が残る。その中で、ああ自分は知らない国に来たのだ、と思う。子供心に。

それは40年近く前に実際にあった出来事で、そのときの不安な感じにも関わらず、ぼくはそれ以来コインランドリーが大好きなのだ。荒々しく、未知の国の匂いのする場所。



あるいはそんな夢を見たのは、この記事を読んだせいかもしれない。

コインランドリーガール

こんなふうに人生をみる視線は好きだ。



ところで、コインランドリーとはなかなかセクシーな空間だとも思う。

洗濯物という、本来生活のいちばん奥の方に位置するはずのものを、知らない人の目の前で広げるわけだから。

いや、そんなこと言ったら銭湯なんて、見ず知らずの人の前でハダカになるわけだけど、だからこそ「みんな同じ」「平等」という感覚がある(ハダカの付き合いという言葉だってある)。

コインランドリーは、平等になるためにはぎ取る「皮」の部分をさらす分、よりリアルにその人そのものを人前にさらしているような気がする。

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共通テーマ:日記・雑感

コメント 2

cube

Tak.さんのおっしゃる通り、人間の本体は「皮」の部分なのかもしれません。それは、洗濯物のように脱げば何度でも洗えるものなのかもしれない。
by cube (2014-07-29 18:09) 

Tak.

cubeさん
その部分に同意してくれる人はそんなにたくさんはいないと思います☺︎
by Tak. (2014-07-29 20:04) 

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