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思考のOSとしてのアウトライナー、生活デザインのアプリケーション [アウトライナー]

少し前に書いた「思考の流れを阻害しないタスク管理の道具」の続き。

この記事で、WorkFlowy上のタスク管理用アウトラインを紹介しながら、アウトライナーは一種の「思考のOS」なのだと書いた。

これってけっこう重要なポイントだという気がするので、タスク管理用のアウトラインを例にもうちょっとイメージを掘り下げてみる。



上の記事で紹介したタスク管理用アウトラインを、ここのところかなり真剣に使っている。今のところとても使い心地がいい。

アウトラインの現在の構造はこんな感じ。
スクリーンショット 2014-11-09 21.25.47.png
もともとはWorkFlowyのブログで紹介されたこちらの記事を参考にしているけど、
使っているうちに原型をとどめないほど変化した(自分自身の前記事からもかなり変わってる)。

使いながらニーズに合わせてどんどん構造を変えていけること自体がアウトライナーを使うことのメリットだ。



タイトルにあたる最上位階層は変わらず「Clear」になっている。これが、アウトライン全体の内容と構造のガイドになる。「これは何を目的としたアウトラインなのか」ということを示している。マンダラートでいえば「中心」に当たるもの。

なんで「Clear」かというと、いろんなことを「クリア」にすることが、今の自分がいちばん必要としていることだから(放っておくとどんどんクリアじゃなくなっていくタイプ)。

便宜的に「タスク管理用のアウトライン」とは言ったけど、「クリア」でいるために何をするかを考えるためのアウトラインだから、いわゆる「タスク管理」はそのほんの一部にすぎない。

これは、WorkFlowyというアウトライナーの上で動作する、個人のニーズを徹底的に追求した極私的生活デザインのアプリケーションなのだ。



既製のタスク管理アプリにない大きな特徴は、生まれた項目がアウトラインの中を「移動」するということだ。

例えばThought Log(思いつき)は日々なんとなく思い付いたことを日付ごとに時系列に書く部分(これは大元のMACLAIN CHRISTIEさんの記事より)。

書かれた思いつきの中にはタスクもあるし、ブログ記事のネタもあるし、奥さんと行ってみたい場所もあるし、仕事で気になることもあるし、単なるギャグもあるし、哲学的っぽい考察もある。それを後から見直して、アウトラインの中の適切な場所に移動させる。

これは今日やるタスクだと思えば「Doing」の下の適切な場所に移動させる。

ブログ記事のネタだなと思えばブログ用のトピックの下に入れておく。ブログ用のトピックは、こんな感じで「Projects(プロジェクト)>自分にできること/やりたいことで他人にとっても価値のあること」の下にある。その部分をズームするとこんな感じ(ブログ記事はここにはまだ数個しか入ってなくて、大多数はOmniOutlinerの巨大なアウトラインに入っている。こちらに全面的に移行するかは検討中)。
スクリーンショット 2014-11-09 21.38.10.png
自分の欲望や願望だったら(通勤途中の電車の中でそういうのよく書く)、「Self(自分)」の下の「欲望・願望・期待」に入れておく。人様に見せられるものじゃないけど、ちゃんととっておく。欲望は人生の燃料だから。

今度Aさんに教えておきたい本を思い付いたのなら、「人間関係」の下にAさんのトピックを立ててそこに移動する。

電車の向かいの席に座っている人の靴が魅力的だったと書いてあるなら「Environment(環境)」の下の「服装」の下に移動する。

もちろんThought Log以外の場所、たとえば何か仕事の計画を練っていて、週末にやっておかなければならない何かを思い付くこともある。それも後からDoingの下に移動する(どこで何を思いつくかわからない)。

ランダムな思いつきがアウトラインの中を縦横に移動し、所定の場所に位置づけられることで、自分にとって重要な物ごとが「クリア」になる、というのがこのアウトラインの構造だ。

特に「Self」の中は、とても重要だけど普段なかなか腰を据えて考えることができないような物ごとだ。でもやってみてわかるのは、日々の思いつきという形でならけっこう頭に浮かんでいるということ。それを所定の場所に移動することで、自然に「クリア」になってくる。



それでも移動先がなく、新しいトピックの立てようもないものは、そのままThought Logに残しておく。しばらく寝かせておいてから見ると、必要か必要じゃないか分かってくることが多い。

行く当てのない思いつきを入れる場所がちゃんとあるというのは、自分にとってはけっこう重要なニーズだった。Inboxという形式を取らなかったのは、Inboxの中に行き場のない項目をためるわけにはいかないからだ。



こんなニーズに応えてくれる既製のアプリはまずない。

ここでは「構造を俯瞰し、自由に組み替える」というアウトライナーの基本機能を前提に、アウトラインの構造自体が必要な付加機能を提供している。アウトライナーがコア機能を提供するOSで、アウトラインがアプリケーションというのはそういうことだ。

そして重要なのは、それが専用アプリよりも個人のニーズを満たしてくれる場合がある、ということ。

そう考えると、単にアウトラインを作るという以上のアウトライナーの可能性が見えてくる。

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