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すごく楽しくもない、特に刺激的でもない [Diary]

昨日の雪を見ていて思い出した、福井の夜の雪景色。



ひとり出張は、クライアントを接待することもないし、同僚と繰り出すこともない。ひとりで仕事先に行ってひとりで仕事をすませ、ひとりで食事してひとりでホテルに帰る。

すごく楽しくもないし、特に刺激的でもない。

~♪

ホテルの部屋で今日のメモを整理して明日の仕事の資料を揃え、明日の行程を考える。

昼過ぎから降り始めた雪は今では膝の上あたりまで積もっている。明日は午前中に金沢まで移動しなければならない。雪の中の不確実な移動もひとりで心配する。今日のうちに無理やりにでも移動しておくべきだったかなとひとりで思う。

特急の時刻をメモした紙と、明日の訪問先の地図をバッグの外側のポケットに入れる。レコーダーの電池を替える。ノートのリフィルを補充する。名刺入れに新品の名刺が入っていることを確認する。

(この仕事のお金はいつ入ってくるのかな)

それからホテルを出て雪の中を散歩する。こんな雪の中で普通に路面電車が動いているのが不思議。乗ってみたいと思うけれど、明日は早起きだから。

来る時に見つけておいたコンビニに行こうとするけど、雪のせいで思いのほか時間がかかる。靴の中に大量の雪が入って(雪素人)、明日もこの靴を履かなきゃならないことを思う。

20分くらいかけて目的のローソンにたどりついて、暖かい店内で缶ビールを二本買って、それからお菓子も(肉まんはがまんした)。

地元の女の子がひとりで雑誌を立ち読みしている。フリースにマフラーに毛糸の帽子。でも足元は素足にサンダル。いくら近所といってもこれが福井クオリティなのか(そんなことはないだろう)。ちょっと上気したような顔。

足、冷たくないですか?
と声をかけてみたりはしない。

~♪

そしてまた雪をかき分けながらホテルに戻る。コンビニの袋を持っている分、バランスが取りづらくて三回くらい転ぶ(雪素人)。

ホテルに戻り、すっかり濡れてしまった靴にティッシュを詰めてからシャワーを浴びる。足が真っ赤になっている。

シャワーから出てビールをあけてテレビをつけてみる。文脈がよくわからない地元局のバラエティ的な番組。

すごく楽しくもないし、特に刺激的でもない。

電話でTomo.さんと少し話して、
「やあ」
「やあ」
「なにしてた?」
「お風呂あがり」
「こっちも」
みたいな会話をする。

雪の中を路面電車が走る音がする。重くてくぐもった他の何にも似ていない音。

(この仕事のお金はいつ入ってくるのかな)



ちょうど11年前、2004年の1月のこと。

結果的にはその翌月からその後11年近くの間勤めることになる会社で(偶然)働き始めたので、たぶん特別に印象に残っている雪の福井の夜。

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