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渾然一体となった小さくて名前のない自負 [Thoughts]

以前の職場のちょっとエライ人とのお酒の席で「Tak.君が今まで関わってきた仕事でいちばん誇りに思っているものは?」と問われたので、具体的に名前を出して言えるようなものは特にないと答えた。

「それは自分を卑下しすぎてるんじゃないか。がんばってるんだからもっと自信を持ったほうがいい」と言われた。

またあるとき、新入社員とのお酒の先で「Tak.さんが今まで関わった仕事でいちばん誇りに思っていることは何ですか?」とやっぱり問われたので、具体的に名前を出して言えるようなものは特にないと答えた。

ちょっと困ったような触れちゃいけなかったようなとても微妙な顔をしていた。



でもそれは自負がないわけでもないし、もちろん卑下しているわけでもない。

自分なりに自負していることはもちろんちゃんとある。ただそれは名前をつけて人に提出できるような性質のものではないというだけだ。

たぶん、ほんとうに大変なことや、ほんとうに重要なことには名前がない。

それは、名前のない無数の小さな行動や、名前のない無数の小さな感情や、名前のない無数の小さな障害や、名前のない無数の小さな後悔や、名前のない無数の小さな挫折や、名前のない無数の小さな闘いや、名前のない無数の小さな達成が、渾然一体となったものだ。

つまり日々を乗り切っていくことだ。あるいは生きるということそのものだ。そのことを、十年とか二十年のスパンの中で望んだ六割でもできたなら、それは充分自負に値することだ。

ましてその中にあって、自分自身を見失わずにいられたなら。そして(今のところ)「本当には」負けずに来ているのなら。



というようなことをいうと誤解を招くけど、もちろん仕事だってそこには含まれている。その渾然一体となった小さくて名前のないものの中から「自分の仕事」は立ち上がってくるはずだ。



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