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「アウトライン・プロセッシング入門」出版しました [アウトライナー]

cover.jpgそんなわけで、こちらでの告知が遅れてしまいましたが、電子書籍「アウトライン・プロセッシング入門——アウトライナーで文章を書き、考える技術」を出版しました。

「書くこと」「考えること」を日常的に行うすべての方に送る、ディープなアウトライナー使いこなしガイド。アウトライナーを使って「文章を書き、考える」ための具体的なテクニックとその背景にある考え方を徹底解説しています。

Renji Talk及びこのブログでで2008年から2014年までの間に公開したアウトライナーについての記事をまとめ、渾身の改訂をしました。詳細はこちら。内容の紹介・目次・そして一部の内容が読めます。



KDPによるセルフ・パブリッシングですが、おかげさまで発売2日間で、ちょっと驚くくらい(当社比)の数の方に購入していただきました。本当にありがとうございます。

もちろん、買っていただいた方の多くは、普段からブログを読んでいただいている方々です。「ご祝儀」的な側面もあるでしょう。また、初日に倉下忠憲さんが紹介してくださったこと(つまり倉下さんが紹介する本なら間違いないだろうという、倉下さんの信用)が非常に大きいです。

ありがとうございます。

でも同時に重要なのは、読後にどう思っていただけるかです。自分としてはベストを尽くしたので、後はみなさん評価にゆだねるしかないわけですが。

幸いにも今のところ何人かの方に「良かった」と言っていただいています。



で、うらばなし。

いや、長かった。

「アウトライナーの話を本にする」と最初に宣言したのが去年の12月。結局半年近くかかったわけです。当初の予定では遅くとも3月中には完成、うまくいけば2月かな、とか甘いことを思ってたのですが、いやいやいや。



締め切りを設けず、自分で納得いくまで直す。思えばこんなに贅沢な仕事は後にも先にもないかもしれません。

普通は納得いこうがいくまいが、締め切りはやってくるものです。締め切りがやってきたら、嫌でも完成させなければならないのです。でも今回は自分の意思でやってることなので締め切りはない。贅沢です。



とはいえ、物ごとには限度というものがあります。完成しなければ意味がないのです。そして、もちろんタイミングということもあります。

問題はどこで完成とみなすか。

本の中でも書きましたが、ひとつの基準は、アウトラインの階層の深さが安定し、項目ごとの内容に極端な分量差がないことです。

でも、なかなか簡単に割り切れません。完璧主義という魔物が忍び寄ってくるのです。特に思い入れの強い内容の場合、終わらせる勇気がないという現象に見舞われます。

結局、これは止めどきだと思ったのは、直しても直しても良くならなくなってきたことでした。

4月中旬くらいまでは、リライトを一回繰り返すごとに確実に以前よりよくなった感触があったんですが、4月下旬になると、いったん修正した部分を次の修正で元に戻してしまうということが頻発するようになりました。

最初はどうしたのかと思ってたんですが、あるとき「ひょっとしてこれは(現在の自分の能力では)これ以上良くならないのではないか」ということに気づき、仕上げに入る決心がつきました。

ということで、力不足による不満はありますが、「もっと時間をかければよかった」という不満は(今のところ)ありません。

とても幸せなことです。



テクニカルな部分では、これはもう倉下さんの著書『KDPではじめるセルフ・パブリッシング』さまさまです。最初から最後まで参考にさせていただきました。

KDPとはなんぞや、有料で売るということ(心構えから、税金などの注意点)、でも何をすればいいか、どう売ればいいのか、その際の注意点などが一冊の本にまとまっています。単なる情報だけでなく、倉下さん自身がKDPで電子書籍を出版した際の試行錯誤の経験値が反映されています。

これからKDPで出版される方には全面的にお勧めします。ただし出版から1年がたち、当時の状況から若干変化している部分もあるので注意が必要です。中でも重要な米国での源泉徴収がらみの変化点については倉下さんがブログで補足されています。



もちろん、本やブログに書いてあることを100%真似する必要はありません。ぼく自身も、特にツール関係については、自分なりの試行錯誤をしました。しかしその結果として、なるほど倉下さんの言っているのはこういうことかと認識するということが何度かありました。

あまのじゃくかもしれませんが、そういうプロセスを経ると物ごとが身につきます。



今回の出版にあたってはいくつか個人的な目標がありました。まずは「説明文」をきちんと書けるようになるということです。

ぼくはブログなどではどちらかというとリズム重視、かつ音楽でいうと変な転調をするみたいな書き方をする傾向があります。もともとの性格(ひねくれもの)もあれば、アウトライナーでの書き方の実験という意味もあります。

でも今回は、そうではないリーダブルな説明文を書きたいと思っていました。

もうひとつは、特定のソフトにしばられない汎用的な技法としてのアウトライン・プロセッシングとその考え方をまとめておきたい、ということです。5年後も(アウトライナーというものが存在しているのなら)通用する汎用的な内容。たぶんそういうものが他にないからです。

うまくいっているといいなと思います。



何はともあれ、おそらく日本一アウトライナーフリーク的な本です。ニッチでマニアックですが、日常的に「書くこと」「考えること」をしている方にぜひ手に取っていただけたらうれしいです。

(実際に手に取るのは端末ですが)



どうも書籍の方の文体用に頭が進化してしまっていつものようにブログが書けません。しばらく後遺症が続くかもしれません。

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コメント 2

cube

わー!出版おめでとうございます!!読みたい読みたい読みたい。私もアウトライナーについて、思うところをまとめたいという気持ちを大事にしていこうと思います。祝・出版パーティー、ぜひやりましょう!
by cube (2015-05-11 16:39) 

Tak.

cubeさん
ありがとうございます!
cubeさんに読んでもらえるとすごくうれしいです。
cubeさんからはけっこう影響受けてるので。
> ぜひやりましょう!
ぜひぜひ^^
by Tak. (2015-05-12 02:14) 

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