自分の基準でタスクを「考える」機能、あるいは汎用の自由 [アウトライナー]
今どきのタスク管理/To-Do管理アプリの多くには、「Inbox」と呼ばれる機能がある。
アプリによって少しずつ名前が違っていたりはするけれど、要は頭の中にある「やらなければならないこと」「気になっていること(問題)」を、後で検討し、処理するためにいったん受け止めておく場所。
もちろんこれは、デビッド・アレンのGTD(Getting Things Done)に由来する。
専用のタスク管理アプリを使わない人、たとえばアウトライナーやEvernoteなどの汎用ツールでタスクを管理している人の多くも「Inbox」的なものを設けていることからも、その影響の大きさはうかがえる。
本来のGTDでは、Inboxに入ってきた「気になること」について、ひとつひとつ「これは何か?」と自分に問いかけるプロセスがある。その結果が、次のアクションやプロジェクトなどのリストに振り分けられるわけだけど、それはここでは置いておく。
■
ここで、ちょっとだけ考えてみる。
汎用のツールを使っているなら、できあいのシステムに合わせる必要はない。全体の構造から細かい枝葉の部分まで、好きなようにカスタマイズし、チューニングし、場合によってはオリジナルのシステムを組み立てることができる。
たとえば、アウトライナーでタスクを扱っているとする。その中に「Inbox」を設けているとする。
この「Inbox」を、「欲しいもの」というタイトルに変えてみる。
もちろん、もともとがInboxなので、今日入ってきた「今週中にやっておかなければならない面倒な上に意味のない事務手続き」とか「会いたくもない人に会わなきゃならない用事」とかがその下に入っている。
つまり、「欲しいもの」の下位に「面倒な上に意味のない事務手続き」や「会いたくもない人に会う用事」が入ることになる。あるいは「面倒な上に意味のない事務手続き」や「会いたくもない人に会う用事」の上位階層が、強制的に「欲しいもの」になってしまうということでもある。
一見したところ、アウトラインとして成立していないように見える。
■
でもそれは、「アウトライン」というものの捉え方次第だ。
ここでは、「どのように考えたら、この(一見矛盾した)アウトラインが成立するだろう」と考えてみる。
この場合なら、「面倒な上に意味のない事務手続き」を、「面倒な事務手続きを完了した後のすっきりした気分」に変えてしまう。あるいは「会いたくもない人との面談を終えて、心置きなく飲むビール」に変えてしまう。
これで、両方とも「欲しいもの」だ。アウトラインとして矛盾しなくなった。
子供だましだと思うだろうか。
でも、アウトラインの使い道は、論理的に矛盾しない「階層構造」を作ることだけではない。
上位階層と下位階層の矛盾の解消を試みることで、思考を発動する。これは「考える」ためのアウトラインの使い方のひとつだ。
そして、そのことによって生まれたほんの少しの言葉の違いが、実際の行動に影響を与えることがある。
言葉には、そういう力がある。
■
これは単なる例だ。でも、その意味は決して単純ではない。
ちょっと言葉を変えるだけで、受動的に「入れる」だけだったInboxに新たな機能が加わる。内容を、自分にとって(好ましい)意味のある物ごとに変換する機能、つまり「自分の基準で考える」機能だ。
自分の基準でタスクを「考える」こと。本来それは、タスクを扱うツールに備わっているべきものだと思う。
ただし、考える基準はみんな違うから、できあいのツールにそれを組み込むことは難しい。「Inbox」は「Inbox」なのだ。
でも、汎用ツールなら、自由に変えることができる。汎用とは、自由ということなのだ。
アプリによって少しずつ名前が違っていたりはするけれど、要は頭の中にある「やらなければならないこと」「気になっていること(問題)」を、後で検討し、処理するためにいったん受け止めておく場所。
もちろんこれは、デビッド・アレンのGTD(Getting Things Done)に由来する。
専用のタスク管理アプリを使わない人、たとえばアウトライナーやEvernoteなどの汎用ツールでタスクを管理している人の多くも「Inbox」的なものを設けていることからも、その影響の大きさはうかがえる。
本来のGTDでは、Inboxに入ってきた「気になること」について、ひとつひとつ「これは何か?」と自分に問いかけるプロセスがある。その結果が、次のアクションやプロジェクトなどのリストに振り分けられるわけだけど、それはここでは置いておく。
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ここで、ちょっとだけ考えてみる。
汎用のツールを使っているなら、できあいのシステムに合わせる必要はない。全体の構造から細かい枝葉の部分まで、好きなようにカスタマイズし、チューニングし、場合によってはオリジナルのシステムを組み立てることができる。
たとえば、アウトライナーでタスクを扱っているとする。その中に「Inbox」を設けているとする。
この「Inbox」を、「欲しいもの」というタイトルに変えてみる。
もちろん、もともとがInboxなので、今日入ってきた「今週中にやっておかなければならない面倒な上に意味のない事務手続き」とか「会いたくもない人に会わなきゃならない用事」とかがその下に入っている。
つまり、「欲しいもの」の下位に「面倒な上に意味のない事務手続き」や「会いたくもない人に会う用事」が入ることになる。あるいは「面倒な上に意味のない事務手続き」や「会いたくもない人に会う用事」の上位階層が、強制的に「欲しいもの」になってしまうということでもある。
一見したところ、アウトラインとして成立していないように見える。
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でもそれは、「アウトライン」というものの捉え方次第だ。
ここでは、「どのように考えたら、この(一見矛盾した)アウトラインが成立するだろう」と考えてみる。
この場合なら、「面倒な上に意味のない事務手続き」を、「面倒な事務手続きを完了した後のすっきりした気分」に変えてしまう。あるいは「会いたくもない人との面談を終えて、心置きなく飲むビール」に変えてしまう。
これで、両方とも「欲しいもの」だ。アウトラインとして矛盾しなくなった。
子供だましだと思うだろうか。
でも、アウトラインの使い道は、論理的に矛盾しない「階層構造」を作ることだけではない。
上位階層と下位階層の矛盾の解消を試みることで、思考を発動する。これは「考える」ためのアウトラインの使い方のひとつだ。
そして、そのことによって生まれたほんの少しの言葉の違いが、実際の行動に影響を与えることがある。
言葉には、そういう力がある。
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これは単なる例だ。でも、その意味は決して単純ではない。
ちょっと言葉を変えるだけで、受動的に「入れる」だけだったInboxに新たな機能が加わる。内容を、自分にとって(好ましい)意味のある物ごとに変換する機能、つまり「自分の基準で考える」機能だ。
自分の基準でタスクを「考える」こと。本来それは、タスクを扱うツールに備わっているべきものだと思う。
ただし、考える基準はみんな違うから、できあいのツールにそれを組み込むことは難しい。「Inbox」は「Inbox」なのだ。
でも、汎用ツールなら、自由に変えることができる。汎用とは、自由ということなのだ。
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