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思考のアウトラインと語りのアウトライン [アウトライナー]

自分も含めて、人はアウトライナーを使う(つまりアウトラインをつくる)ときに、ついつい「構造化」に向かいがちだ。

ここでいう「構造化」は、そんなに厳密な概念ではなくて、階層化しながら考えを整理すること、ぐらいの意味。

アウトライナーは確かに「構造化」を助けてくれる。でも、それが落とし穴になる場合がある。特にアウトライナーを使って作ろうとしているのが、リニアな(初めから終わりまで順番に流れていく線的な)語りである場合。

リニアな語りには「順序」がある。

文章であれば、どうはじまって、どう進んで、どう終わるか。そこには流れがあり、起伏がある。これが必ずしも考えを整理した結果としての「構造」とは一致しない。

だから、内容を自分で理解するために「構造化」することが必要だとしても、その「構造」に沿って語りを作ろうとすると行き詰まる。

プレゼンでしゃべる内容をアウトラインとして整理したのに、スライドに展開しようとしたらうまくいかない、というのもこれと同じ現象(アウトライナー使いの多くが経験してると思う)。プレゼンとはまさにリニアな語りだからだ。

思考の「構造」と語りの「構造」は違う。思考のアウトラインと語りのアウトラインは別にある、と言いかえてもいいかもしれない。それは場合によっては並行して存在し、場合によっては前者から後者へと変化する。

例えていうなら、考えを整理したアウトラインの「構造」を串刺しにして、つまみ出したパーツをリニアに配列したものが語りだ。



そしてこれは、「アウトライン=目次ではない」というあの話とも、たぶん微妙につながっている、気がする。

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