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隣の芝生(2) [Diary]

昔住んでいた家の芝生に、水をやっている夢を見ました。夢の中では、なぜか自分の家の芝生だけが枯れていました。なぜかというと、自分が水をやらなかったから。で、早く青く戻さなくちゃと思って一生懸命水をやるんだけど、風が吹いたりホースに穴があいたりして、芝生に水がかからない。

という、なんだかすごく分かりやすい感じの夢。

それは実際に見たことがある風景でした。前に、子供の頃、前庭の芝生に水をやるのは子供の仕事だったと書きましたが(→隣の芝生)、ぼくはよく仕事をごまかすタイプの子供でした。

ある年の夏休み、どうやったら水をちゃんとやったように見えるか、いろいろ工夫しました。芝生の周辺だけ濡らしてみたり。

で、「水をやらないと、芝生は枯れる」という自然の法則の前には、ごまかす工夫なんて何の役にもたたないということを学んだのも、この頃の経験からです。そして、その周辺で、「うちの芝生だけが青くない」という事態が発生しました。当たり前ですが、枯れた芝生は、隣からみても青く見えないのです。

そのときの風景そのまま。
そんなこと忘れてたのに、「隣の芝生」のことを考えたせいで思い出した。

※※※

翌年の夏休み、隣の家で一人暮らしをしていたおじいさんが亡くなりました。半年前におばあさんが亡くなったばかりで、残されたおじいさんはいつも巨大なワインのボトルを手に飲んだくれ、完全なアル中状態だったんですが、ぼくと友だちに、カウボーイの投げ縄の投げ方を教えてくれました(できなかったけど)。

おじいさんが亡くなった後(死後1週間くらいたっていたとのことでした)、孫娘だという女の人がうちにやってきて、家の借り手が見つかるまで、芝生に水をやってほしい、と言いました。もちろんそれもぼくの仕事になりました。他人の芝だと思うと子供なりに責任感を持ったのか、1ヶ月間水をやり続けて、芝は青いままでした。ちなみに、うちの芝生もいっしょに水をやったので、青かったです。

考えてみれば、芝生は同じくらいの青さなら、常に隣から見るほうが青く見える、ということに気づいたのはこのときのことだったような気がする。

最後に孫娘さんは、「お礼」と言ってぼくにお金をくれました。はじめて労働をして稼いだお金でした。
タグ:時間
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