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たまたまその形にピースがはまったから [Thoughts]

アウトライナーの上であれこれと操作しているうちに、ピースがかちっとはまる瞬間がある(文字通り音がする感じ)。

言葉のピースの集合体は、そこではじめて文章になる。

ピースがはまるまでにかかる時間は、内容やその複雑さによってさまざまだし、最後まではまらない場合もたくさん(たくさん!)ある。でも一度はまってしまえば、後は文章が勝手に成長していくことが多い。

で、疑問というのは、そうやって書かれた文章は、果たして自分の意思で書いたと言えるのかということ。

たまたまその形にピースがはまらなかったら、そんなことは書いてないかもしれないんだから。

実際このブログにも、最初は思ってもみなかったことがたくさん書いてある。今日も、書き上がった内容は、最初に書き始めたときとは正反対の内容だった。

だけど、思ってなかったからといって、そこに書かれてるのが嘘なのかというと、たぶんそんなことはないんだよね。

そこが文章を書くこと、考えることの面白いところ。
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「説明しようとしてもできないこと」についての会話 [Talks]

男(26)
「それは、人に説明しようのないことです。人に理解してもらいようのない性質のことです。心の底から望み、そのために全力を尽くしているけどどうしようもないんだと叫びたくても、なにしろそれは人に説明しようがなく、理解されようもないことなのです。そのことで、心ならずも人に迷惑をかけたり、批判を受けたり、嫌な顔をされたり、心ない言葉をかけられたり、努力や責任感が足りないと責められたりします。あるいはしたり顔で「もっと●●すれば」などとアドバイスされたり、わかったような顔で「自分にもそういうことがあったよ」とか「君はまだ恵まれてるほうだよ」とか、結局は自分のしたいの話を始める輩を無視してまた責められたりします。ぼくはどうしたらいいのでしょう」

男(45)
「さあ、どうでしょう」

男(26)
「その歳になってもわかりませんか」

男(45)
「今、自分自身ですべての答えを口にしたじゃないですか」

男(26)
「わかりません」

男(45)
「人は目に見えることしか見えない。知らないことは想像もできない」

男(26)
「それのどこが答えなんですか」

男(45)
「もっと具体的なアドバイスほしい?」

男(26)
「お願いします。できればしたり顔だったりわかったような顔じゃないやつがいいです」

男(45)
「いい歳をして被害者意識と自己憐憫か、みっともない。だから論理だけあって答えがないんだ。大人になれ」
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意味は欲望についてくる [Thoughts]

この間ふと思いついて今の時点で訳したレオ・バボータのブログ記事を数えてみたら、「Zen Habits」「mnmlist」合わせて合計65記事になっていた。

加えて「フォーカス」「〈楽〉に生きるための簡潔なガイド」という2冊の電子書籍。

結構な量だと思う。

2010年の春頃、たまたま目にして気に入った短めの記事(たしか「歩くよろこび」)を訳してこのブログで公開したのが最初だったと思うけど、そのときはまさかこれほどの量を訳すことになるとは思わなかった。



公開されている中から好きなものを選んで勝手に訳して勝手に公開する。

もちろんこんなことができるのは、レオが「アンコピーライト」、つまり「何をしても構わない」との条件で公開してくれているからだ。これは大変ありがたいことだし得難いことなので、お礼の意味もかねて翻訳も「アンコピーライト」で公開させてもらっている。

とはいえ初期の頃のものをたまに見直すと、直したいという強い衝動に駆られるので、つまり初期のものはたぶん下手くそなので、誰かの役に立ってくれればいいと思う反面、こんなのでスイマセンという気持ちもある。

でも、直したいと思うということはおそらく上達しているのだろうと思う。そう思いたい(実際に直せることは滅多にないのだけど)。



去年の年末に訳した「孤独の恐怖」は難物で、使われてる英語はすごく単純だと思うんだけど、そのせいかいくらやっても自然な日本語にならない。

年内の公開は断念して元旦の午前中までかかってようやく公開したけど、年明け後しばらくたってもまだ胃が痛かった。

何でこんなことをしてるんだろうとつくづく思うけど、こういうのって理由とか意味を考えた瞬間にできなくなるような性質のもので、深く考えないのが鉄則なのだ。

そう、世の中には意味を考えてしまったらできなくなることがある。あるいは意味を考えないからこそできることがある。そして、そこにこそ本質的な何かがあったりする。



子どもの頃「理由を説明してみろ」という父の口癖に対していつも返答に窮したものだけど(そして結果的に嘘の説明をしてしまったものだけど)、今なら答えられる。

理由なんかない。

でもほんとうはちゃんとわかっている。休日の朝、起きてコーヒーをいれたらあとは特に無理しなくても強制されなくてもごく自然にマックに向かって作業を始められるということは、それが自分のごく自然な「欲望」と結びついているからだ。



レオ・バボータの「ノーゴール」の話とか、「優先順位をつけない方が正解な場合もある」とかの話をすると、目標に向けてがんばることは悪いことなのかという人がいる。

ここでいう目標は「意味」と言い換えてもいい。

もちろん目標を立てる(=意味を設定する)ことは悪いことなんかではなくて、自分が何をしたいのか、どこを目指すのか、はっきりとしたビジョンがあるのなら、そのために目標を立ててがんばることはとても良いことだ、と思う。そしてぼくの中には、それをきちんとしてこなかったというコンプレックスがいまだにある。

でも一方で、いろんな目標を何回も立てては挫折を繰り返す人が世の中にはたくさんいる(おそらくその方が多数派だろう。「三日坊主」という言葉があるくらいだから)。

原因はいろいろあるだろうけど、もしそれが目標と欲望が本当には一致してないことだとしたら(胸に手を当ててみればわかるよ)、無理に目標を立てることが害になってる可能性が高い。

特に、日々の中で興味を引かれたり心奪われたりした何かを、「目標」に直結しないからと後回しにしているなら。あるいは罪悪感を感じながら、心奪われる何かにこっそり手を出したりしているなら。

そんなときはむしろ抑制せず欲望にそのまま従う方がいい、と思う。ただし欲望に耳を澄ませて、その瞬間にやりたいこと、それがわからなければ(欲望がわからないことなんか、日常茶飯事だ)気持ちのいい何か、気持ちが高まる何かに従う方がいい。

意味がないように思えても、「結果的に」意味はついてくる。少なくとも欲望と結びつかない目標を掲げているよりは、その可能性は高い。



もし「2014年までに65件のブログ記事と2冊の電子書籍を翻訳する」ということを、2010年時点のぼくが目標として掲げたとしたら、とてもじゃないけどできなかったと思う。

それを「結果的に」させてしまう力が欲望だ。
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特定の階層だけを抜き出すOmniOutlinerのローテクな小技 [アウトライナー]

アウトライナーで、特定の階層(たとえば第1階層と第2階層)だけを表示するというのはとても簡単。これはどんなアウトライナーでもできる(それができなきゃアウトライナーじゃない)。

でもときどき、「特定の階層だけ抜き出して別の書類に貼り付けたい」ということがある。これが意外に簡単にはできない。



アウトライナーは階層構造の権化だから、トピックとその下位階層をひとまとまりのものとして扱うようにできている。画面上に表示されているトピックを、下位階層を切り離してコピペするという、ちょっと考えると簡単にできそうなことが、実は苦手だったりする。

たとえばWordのアウトラインモードで特定のトピック(見出し)を選択してコピペすると、下位トピックや本文がいっしょについてくる。OPALでもそうだしFargoでもそう(ちなみにWorkFlowyではそもそもトピックの選択ということができない)。

逆のケースもある。

上位トピックを切り離して下位トピックだけを抜き出したいという場合。たとえば3階層からなるアウトラインの第2階層のトピックだけを全部抜き出して別の書類にペーストしたいとか。これもたまにある。

これまた、通常のアウトライナーではなかなかうまくできない。上位トピックを無視して下位トピックだけまとめて操作するというのが苦手なのだ。

もちろんこれは問題ではなく、通常アウトラインを操作する上では、この方が都合がいい(だからこそテキストの大きな塊を楽に操作できる)。でも、年に何回か困ることがあるんですよね。



実はこれをすんなり解決できるのがOmniOutliner。

OmniOutlinerの仕様では、必要な階層だけ表示した状態でトピックを選択→コピーして他のエディタにペーストすると、表示中の階層だけがペーストされる。下位トピックはついてこない。

下位階層を含めたい場合は、必要な階層をすべて表示させておいてから選択する。

逆に上位階層を切り離して下位階層だけ抜き出したい場合は、[command]+クリックで非連続選択ができるので、コピーしたい階層のトピックだけを[command]+クリックで選択していき、コピペすればいい。



ちなみにOmniOutlinerでも、同じアウトライン内や、OmniOutliner書類同士のコピペであれば、他のアウトライナーと同様に下位階層がいっしょについてくる。表示されてる階層だけがコピペされるのは、他のエディタにペーストする場合だけ。

慣れないと挙動の違いに戸惑うし直感的じゃない気もするけど、アウトライン操作を行う場面(OmniOutliner内)では下位階層も含めて扱い、他のエディタにコピーする場合には目に見えてるものだけ、というのはよく考えると合理的だ。

慣れると(そして挙動を理解できると)、アウトラインの使い方の幅が広がる柔軟な仕様だと思う。

アウトライン操作の柔軟性という点では、OmniOutlinerには一日の長がある。
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まるで本物の共同作業をしたような [Diary]

お正月休み明けの第一週、長い休みと裏表の月曜スタート。

金曜にいきなり大事なプレゼンがあるということもあり、初日から仕事全開モード(その上新年会とかもあったりするんだ)。

月曜の時点では、金曜日にプレゼン資料が仕上がる目処はまったく立っていなかった。内容の想像さえつかず。

だけど火曜日にぼくがつくった企画書を同僚が修正し(ずいぶん良くなる)、そこにいっしょに仕事してる別会社の人がアイデアを追加し(さら良くなる)、それをぼくが修正し(もっと良くなる)、別会社の人が更にアイデアを加え(じわじわ良くなる)、それを同僚が修正し(まだまだ良くなる)、というサイクルを繰り返した結果、金曜日にはそれなりになかなかどうして悪くないプレゼンができたと思う(結果はまだわからないけどね)。

まるで本物の共同作業をしたような気がしたので同僚にそう言ったら、「めずらしく」と言って笑っていた。

いや、もちろん普段から仕事は共同でしているのだけど。

でも、共同作業とかコラボレーションとか相乗効果とかシナジーとかいう素敵な言葉たちは多くの場合、

能力が不足していたり
時間が不足していたり
やる気が不足していたり
疲れていたり
役割分担か不明確だったり
組織が機能不全だったり
リソースが不足していたり
自分勝手だったり
仲が悪かったり
単に運が悪かったり

というような現実の前に敗れ去るものだ。自慢できた話じゃないけど、他の多くの現場でも同じなんじゃないかと想像する。

個人的には、今回ほど気持ちよくことが運んだのは、初めてかもしれない(特にぼくは人の3倍くらい共同作業が苦手なので…)。

たぶんお互いあんまり干渉せず、それぞれがいいと思うことを勝手に進めたのが良かったんじゃないかと思うけど、理由はよくわからない。

ただひとつ言えるのは、お題目のように聞こえるコラボレーションだのシナジーだのが本当に発生すると、それはなかなかに気持ちよく楽しいということ。

うむ。
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レオ・バボータ「〈ステートレス〉に生きるということ」 [レオ・バボータ関連]

レオ・バボータ「〈ステートレス〉に生きるということ」を公開しました。ブログZen Habitsで公開された「Stateless Mindset」の日本語訳です。
プログラミングの世界に〈ステートレス(stateless)〉という概念がある。ひとつひとつのリクエスト(処理要求)を、それ以前のリクエストとは無関係なものとして扱うという意味だ。

これは非常に大きな制約にもなるのだが、別の見方をすると膨大な量のリクエストに対処するための素晴らしい方法ともいえる。

毎日、数千人ものクライアントからの数百万件の依頼に対応することを想像してみよう。全てのクライアントの全ての依頼を把握しておかなければならないとしたら、頭がおかしくなるのではないだろうか。全てを記憶しなければならいないという重圧で、あなたは押しつぶされてしまうだろう。

しかし現実の生活も同じようなものなのだ。
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親子の会話のカンフル剤としてのストリートビュー [Diary]

お正月に実家に行ったときいちばん盛り上がったのは、Googleストリートビューで、かつて住んでいたサンフランシスコの家の周辺の風景を父と母に見せたとき。

驚くべきことに、40年近く前とまったく変わらない姿でそこにあった、小さなドラッグストアとコインランドリー(発見したときは自分も興奮した)。



ドラッグストアは、ぼくがはじめて自分の意思で選んだ文房具を買ってもらった店(たぶん三年生くらいだったと思う)。

あこがれのミードの黄色いリーガルパッドと3リング式のバインダー。

そのときの息子の欲求が単なる気まぐれでなく、本質的なものであったことを当時の両親は知るよしもなかった。

(ちなみにはじめてのプラモデルを買ってもらった店でもある。そのとき買ってもらったモノグラム社のスピットファイアが、その後の息子の軍事オタク化を暗示していたことも当時の両親は知るよしもなかった)



コインランドリーは、アメリカについて数日後、母がはじめてひとりで(正確には6歳のぼくを連れて)出かけた場所。まだ洗濯機が家になかったのだ。

異国の洗濯機の使い方がわからず、店にいた他のお客さんに、大学以来となる英語で使い方をたずねた。

「私は最近アメリカに来て本日はじめてコインランドリーを使用せんと欲する者ですが、その使用方法についての知識を持たない者です」みたいな感じで。

まだ30代だった母の行動力。そう、母は本来はそういう女性なのだ。



なかなかうまくかみ合わないことが多くなった(かみ合わせることが難しくなった)、親子の会話の強烈なカンフル剤。
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ロジックに乗らないこと [Thoughts]

どうしても理解してほしいことを理解してもらえないとき、あるいはどうしても伝えたいことをうまく言えないとき、ロジックほど役に立たないことはない。

ロジカルに、正確に、間違いなく伝えようとするほど、それは本質からずれていく。

たぶん、人が心の底から伝えたいことの多くはロジックには乗らない。少なくとも、そう思っておいた方が間違いない。

何かを心の底から理解してほしい、伝えたいと思うとき、表現するべきはその内容ではなく、何かを心の底から理解してほしい、伝えたいと思っているということだ。
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iMandalArtの発売中止と後継アプリについて [マンダラート]

このブログのマンダラート関連記事の画面ショットでも使用しているiOS上のマンダラート公式アプリ「iMandalArt」は、提供元の事情により2013年8月で販売が終了しています。

先日、後継となる公式アプリの開発を行っていることがあらためてアナウンスされました。
http://www.mandal-art.com/

続報があったら、こちらでも紹介していきます。
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レオ・バボータ「孤独の恐怖」 [レオ・バボータ関連]

レオ・バボータ「孤独の恐怖」を公開しました。ブログZen Habitsより「The Fear of Being Alone」の日本語訳です。
驚くほど多くの人が孤独を恐れている。程度の差こそあれ、私たちは皆そうなのかもしれない。

パートナーや友人や家族を失うこと。見知らぬ土地で道に迷い、助けを求める人もいないこと。誰の手も借りず生きて不成功に終わること。

孤独を恐れるというのは自然なことではある。誰もが自分の奥深くでそれを感じたことがある。必死に避けようとしているにもかかわらず。

そして、それこそが不幸の原因だ。孤独の恐怖から逃れようと、私たちは止めどなく人と繋がろうとする。SNSやメールもその一部だ。孤独を避けようとするあまり、自分にとって必ずしも望ましくない相手と一緒にいることになってしまう。誰かに寄りかかりたい、頼りたいためだけにだ。そしてジャンクフードを食べ、買い物をすることで自らを慰める。それは愛の代わりになるからだ。

しかし不思議なことに、孤独は力を与えてもくれるのだ。孤独の静けさは喜びに満ちている。
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