SSブログ

あなたとの間の壁 [Thoughts]

たとえば彼や彼女や妻や夫がいて、で、その人との間で、肌に触れたり触れられたりするときには、衛生面を考えて必ずビニールかゴムの手袋をつけるように。相手のこと本当に思うなら、そうするべきだ。

そういわれたら、たぶん多くの人はいやだと思うはずです(ぼくは、いやです)。手袋をはめて握った寿司よりもっと嫌です。

で、考えてみれば、コンドームをつけるということは、ある意味でそれと同じことなのかもしれない、と思ったわけです。

なんでそんなことを思ったかというと、しばらく前に引用した「21世紀の新しい壁」についての辻仁成の文章です。

「ベルリンの壁が崩壊して、確かに世界の行き来が自由になった。しかし、人間は肉体と心のアクセスの方法の前に僅か0.03ミリや0.05ミリの壁の出現で本当の意味で一つになれない苦悩を背負うことになるのです。」

江國香織との共著「恋するために生まれた」の一節(p.117)で、けっこう前の本ですが、本棚の奥に入っていたのをパラパラとめくっていて、目に付いたものです。

もともとは、20世紀の末にエイズの蔓延がはじまり、その防止のためにコンドームをつけるべきだ、というキャンペーンを国が始めたことを念頭に置いて書かれたものだと思います。

ここ、以前読んだときも感心した覚えがあるけど、あらためてよくよく考えると、この視点はすごいような気がする。何がって、それは「壁」なんだと捉えるところが。

断っておくけど、ぼくは女性の意図しない妊娠や、STDの感染を防ぐためにコンドームを使用することに反対しているわけじゃありません。それは絶対に必要なものです。でも、絶対に必要だからこそ、それは巨大な壁なのだ、ということ。

それは確かにその通りだと思ったんです。それって、実はすごく考える価値のあることなんじゃないか、と。

そんなことを考えていたせいで、今日へぼいプレゼンをしてしまったわけではありません。
タグ:恋愛
コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0