SSブログ

集団の神様 [Thoughts]

自分ではあまり嫉妬深い人間ではないと思うんだけど、ひとつだけ明白に嫉妬を感じる対象があって、それが「集団」だということに最近気づきました。

昔から、いちばん苦手なものも、いちばん憧れるものも、いちばん縁がないのも集団。さすがに最近はオトナなんで、一応の集団行動を取ることはできるようになったけど、でもそれは表面的なテクニックにすぎない。

集団と折り合っているように見えても、本当に付き合うことができるのは、集団の中の個人だけです。で、その個人が集団とうまく付き合っているのを目にしたときに、なんとなく嫉妬に似たものを感じる。集団に嫉妬するというのも変なものではあるけれど。

どんなふうに集団と関わるかということは、たぶん自分の永遠のテーマなんだろうけど、それが解決しちゃったら自分じゃないような気もするな。

※※

目的をもった集団は、奇跡を起こすことがあります。

集団を構成する個々が、何かのきっかけで一つになったときに生み出す「うねり」のようなものは本当に魅力的だし、「うねり」の正体にとても興味があります。

どんな集団にもそれは存在すると思うけど、いちばんわかりやすいのは音楽や芝居の集団です。その日にそこで演じているメンバーの存在が、何かの拍子に作用し合って、絶対にその瞬間にその場でしか味わえない何かを生み出すこと。

後で「よかったんだよ!」っていくら話をしても、その場で見ていない人には決して伝わらないような感じ。それは必ずしも「うまい」だけのことではない。

それがどうして奇跡なのかといえば、一人の人間がそうしたいと願ってもできないからです。

全員がバラバラだともちろんダメだけど、全員があまりにも均一に揃いすぎてもそれは起こらないから。またそれは努力なしでは起こらないけど、狙ってできることでもないから。あるいは集団を結びつけていた何かは驚くほどあっけなく一瞬のうちに消えて、そのときはじめて、それが奇跡であったことに気づくようなものだから。消えたあとで、たしかに存在した「あの感じ」を取り戻そうとしても、それは戻ってこないから。

何度も書いている和太鼓グループ「森のももんが団(仮名・実名書きたい。ちくしょう)」にあれほど惹かれるのも、おそらくその種の奇跡をもっともわかりやすい形で見せてくれたからだと思う。

ひとついえることは、集団に属さなければ、その奇跡を自分のものとして体験することはできないということです。

集団の神様は個人には微笑まない。うむ。
コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 2

ずんずん

うむー。
すみからすみまで、よーくわかるぞ。
わたしのなかでモヤモヤしていた思いが
きちんと文章になっているので、びっくりしてしまいました。
by ずんずん (2010-02-08 09:06) 

Tak

>ずんずんさん
同類ですね。ぼくはそういう人をつい嗅ぎつけちゃうクセがあります。
by Tak (2010-02-09 08:13) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0