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内側の毒 [Thoughts]

すっと昔から、どこにいても常に自分はその外側にいるという感覚があって、それは今に至るまで変わっていない。

それをはっきり自覚するようになった最初は、日本人の子供としてアメリカの小学校に通っても、帰国子女として日本の小学校に通っても、いずれにしても自分は外側なんだと感じたときだと思うけど、よく考えてみればそれ以前にも、心の底から自分が集団の内側にいると感じたことなんか一度もなかった。

どうやって集団と折り合いをつけていくかが一貫して自分の課題だったけど、生きてきてひとつわかったことは、無理に内側に入ろうとするとろくな結果は生まないということだった。自分のためにも周囲のためにも。

だからこそ、逆説的だけど集団の中で生きるためには、意識的に外側にいつづける以外に、方法はなかった。

外側に立つといっても、集団と対立するのではなく、強いて内側に入ろうとしないということ。内側に入るためだけに何かをしないこと。集団の中の個人とは付き合っても、集団とは付き合わないこと。

そうすることで、自分は壊れずにすんできた、という感覚がある。

でもそうは言いながら、何の疑問もなく当然のように「内側」に居られる人をうらやましく思ったことが一度もなかったかといえばそれはぜんぜん嘘で、そんなふうに生きられたら楽だろうな、と思うこともあった。

でも今、職場の中で「内側の人」の代表のようにぼくが勝手に思っていた人が心身を壊して長期療養をしていて、それを見れば、当然だけど物事はそんなに単純じゃないことがわかる。

常に内側にいつづける(あるいはいつづけようとする)ということが、どれほど人を疲弊させるか。

集団の内側には毒があるんだね。だけど、人には絶対に居場所が必要だし、人はひとりでは生きていけない。うむ。
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