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ミセス・マパの30年残る言葉 [Thoughts]

ミセス・マパ(Mrs. Mapa)は「セックスは人生でいちばん素晴らしいことだ」と言った。ミセス・マパはアメリカで通っていた小学校の先生。当時20代後半か30代前半くらいのフィリピン系アメリカ人。帰国する直前のことだから、たぶんぼくが11歳くらいのときだったと思う。

セックスは人生でいちばん素晴らしいことだ。
あなたたちにもそう思ってほしい。
そのことさえ理解してさえいれば、大きな間違いを起こすことはない。
私はそう信じている。
だから何よりも先にそのことを伝えたかった。

いったいどういうシチュエーションでそんな話になったのか、今となっては謎なのだけど。

何か性教育みたいなものの時間だったのか?
単なる雑談みたいなものだったのか?
誰かがふざけてその言葉を叫んだり誰かをからかったりしたことに対して?

とにかく、ミセス・マパが教室でクラス全員に向かってそう言ったことははっきり覚えている。

Having sex is the most wonderful thing in life.

ちなみに、この時点でそれが具体的にどのようなことを差しているのか、ぼくは理解していなかった。クラスの何人くらいが理解していたのかもわからない。1970年代末のアメリカの公立小学校で、教師がそのような発言をすることが正しい(とされていた)のかどうか。サンフランシスコという土地柄なのか、時代的な背景なのか。思い出しても謎ばかりなのだけど。

でも、今考えると自分のセックス観や恋愛観の根底には、確かにそのときのミセス・マパの言葉がある。もちろんいろんな間違いをしてきたのだけど(恥)、でも間違いも含めたいろんなものごとの底の方には、その言葉があるような気がする。そして、確かに本当に致命的な間違いはしていない、と思う。

理解できないなりに、でもその言葉を人生の中でとてもポジティブなものとして捉えたのは、たぶんそのときのミセス・マパの言葉が本物だったからだ。

考えてみると、日本の大人のどれくらいが、子どもや若い人に対して堂々とそんなことを言い切れるだろう?

何もセックスに限った話ではなく。

日本の大人のどのくらいが、美辞麗句としてではなく、建前としてでもなく、人生は素晴らしいものだと子どもや若い人に対して言い切れるだろう? 

それって、すごい重要なことなんじゃないか。というか、それが今いちばん欠けていることなんじゃないか。そのためには、実際にそのように生きていることが必要なんだから。

大人なら、そして教育云々と言うなら、子どもや若い人の心をポジティブな方向にねじ曲げて、なおかつ30年後にもまだ残っているような言葉を吐いてみろよ。

まして政治家なら。
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