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マンダラートのスパルタンな魅力 [マンダラート]

去年、iPhone用のマンダラートアプリ「iMandalart」がようやく完成の域に達したと書いた

いろいろあった問題点がようやく解消されて、安心して使える状態になったこともあって、今はiPhoneでもっとも利用頻度の高いアプリになっている(長い間残っていた、カットしたセルが突然ペーストできなくなる=消えてしまう、という恐怖のバグもついに解消された)。

そもそもiPhoneが登場したときに真っ先に購入したのは、マンダラートがこの上で使えるようになるという期待があったからだけど(もうひとつはアウトライナーが使えるようになるという期待があったからだけど)、実際にアプリが登場するまでに一年待ち、そしていろんな問題が解決して常用できるようになるまで更に一年以上。良いものをつくるには、時間がかかるということだよね。

だから、今では個人的にiPhoneでもっともお勧めするアプリなんだけど、マンダラートほど人に説明しにくいものはない。少し前に職場の後輩が購入したのだけど、その後何の音沙汰もないところをみると、きっと使ってないだろう(笑)。



iPhone/iPadアプリとしてのiMandalartは、App Storeの分類では「仕事効率化」に分類されている。だけどiMandalartは、というかマンダラートは、果たして仕事を効率化してくれるんだろうか。あるいは一般的な意味でそれは「便利」なんだろうか。

そのジャンルにはThingsとかOmni FocusとかNozbeとかの超高機能GTDアプリも入っているわけだけど、たぶんそういうものとはあまり比較できない気がする。

たとえばマンダラートで今日一日のTo-Doリストを作ろうと思ったら、やるべきことを書く欄は8つしかない。

でも、一会社員に過ぎない自分だって、平日の朝に今日やらなきゃいけないこととか、やっておいた方がいいこととかを思いつくまま書き出せと言われれば、20個くらいは軽く出てくる。

ちなみに「フランクリン・プランナー」のデイリーシートのTo-Do欄を数えると28行ある。その上、書ききれなかったときのために付け足すためのシートまである。

でも、マンダラートを使うかぎり、今日のTo-Doは8つ以内に絞らなければならない。なぜなら8つしか書く場所がないから(※実際にはやり方がないわけじゃないけど、原則は8個)。

こんなんじゃ、とても足りない、というのが、初めてマンダラートに触れた人のほとんどが持つ感想。そもそも手帖版のマンダラートが登場した80年代でさえ(パソコンもインターネットもメールも携帯電話も何もなかった頃)そう言われてたんだから。

だからその意味でマンダラートは決して便利な(仕事を効率化してくれる)手法ではないし、アプリでもない。

でももうひとつの事実は、今日のTo-Doを20個書いたとしても、20個完了することができる日はまずないということだ。

もっと言ってしまえば8個以上完了する日さえ、そんなにたくさんはない。少なくともぼくはそうだ。そして、多くの人がそうであることをぼくは知っている。

さらに、多くの人が、20個書き出したことのうち4個しか終わらない日を繰り返しているうちに、イヤになってリストを作る自体をやめてしまうことも知っている。

ということは、もともとそんなにたくさんのリストに意味なんかないということだ。

ここで考えなければならないのは、他人の都合で途切れることなく降りかかってくる大量のタスクを片っ端から「効率的」にさばき続けるのと、自分が決めた基準に従って、1日にやることは細かいことも仕事もプライベートも含めて8つだけと決めるのと、どっちの人生を送りたいかということだ。

個人的には後者がいいな。

マンダラートの本当のすごさは、いったんそのスパルタンな制限を受け入れて、やることを自分にとって本当に意味があること、必要なこと、大事なことだけに絞り込もうと決めて使うと、理解できる。

自分にとって何が意味があるのか、何が大事なのかが自然に浮かび上がってくるような仕組みが組み込まれているからだ。

これはアプリとしてのiMandalartの機能としてもそうだけど、そもそもマンダラートという手法自体が「自分」を中心に置くことから始まるようになっている。

ちなみにマンダラートはレオ・バボータの「フォーカス」の考え方とすごく相性がいいと思う。
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