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閉じていたものを開いていく力 [Diary]

いわゆる帰国子女(死語)であるということは、職場では内緒にしている。知ってるのは、職場の中で個人的に信頼を置く3人だけ。

自分で言うのはなんだけど、あんまり健全なことじゃない(それに70年代ならともかく、今の時代そんなに意識するほどのことでもない)。

職場でということでいえば、はっきり言ってビジネスに使えるほどの会話能力じゃないということはある。それにうちの職場は全社的に英語コンプレックスが強くて、ちょっとでも英語ができると言った瞬間、「グローバル事業部」(的なところ)に送り込まれちゃう傾向があり、そうなると家庭事情的に長期の海外出張に行けないからいろいろ困る。

でも考えてみれば、今の職場に来る前にだって人に言ったことはほとんどない。高校でも大学でも以前勤めていた職場でもほとんどの人は知らなかったと思う。

どうして自分はこんなに閉じてるんだろうね、ということはずっと気になってはいたんだけど。

職場でそのことを知っている数少ない一人からは「何かそのことですごく嫌なことがあったんじゃないですか?」と言われたけど、そしてたぶんその通りなんだと思うけど、具体的に何があったのか思い出すことができない。

ただ、学校と関係した何かがきっかけで、それ以来そのことをあまり口外しなくなったような気はする。20代半ばになるまで、自分自身さえ半ば忘れていたくらい。妻であるTomo.さんさえ、ずいぶん長い間知らなかったっていうし。

今頃そんなことを思うのは、最近少しずつ自分の中で何かが溶け出してるような気がするから。

そして、それはたぶん翻訳をするようになったこと、それにともなって大量の英語を読むようになったことと無関係じゃないと思う。

数日前、職場で4人目にカミングアウトした。ごく自然に、さらっと。

それ自体は大したことじゃないけど、自分の中でそれはちょっとだけ嬉しくて、ちょっとだけ意義深い出来事なのだった。誰にもわからないと思うけど。

まだ自分には、閉じていたものを開いていく力がある。
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コメント 2

ずんずん

最近、高校の同級生と会う機会が増えたのだけれど、
「じつは帰国子女」とゆーカミングアウトが、2件ありました。

ひとり(♂)は中学時代、英語の時間にいつもお手本として教科書を読まされ、
「すげーすげー」と騒がれるのがイヤで、
高校入学をキッカケにヒミツにしたそうです。

もうひとり(♀)は帰国まもないころに高校に入学し、
日本語に自信がないのと、
日本人のことがよくわからないのとで、無口にしていたら
「おとなしくてかわいい子」ってことでみるみるアイドルになっちゃって
本性を出せないまま卒業を迎えてしまったそうです。

いや、だからどうしたって話じゃないんだけど、
30年以上、黙ってたんだ~って、ちょっとビックリしたのでした。
by ずんずん (2012-04-01 22:32) 

Tak.

ずんずんさん
>ひとり(♂)は中学時代、英語の時間にいつもお手本として教科書を読まされ、「すげーすげー」と騒がれるのがイヤで、

えーと、まさにコレですね。一字一句その通りです。コレだけじゃないけど、確かにコレはありました。
by Tak. (2012-04-01 22:38) 

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