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あらゆる寝坊の中で最高の寝坊 [Diary]

猫を飼っていた頃、猫がいると冬でも湯たんぽなんかいらないでしょう、いいなあとうらやましがられたことがよくあったのだけど、これは大きな勘違いだ。

猫はお布団をあたためてくれたりなんかしない。既に温まったお布団に入るのだ。



たとえお布団がいい具合にあたたまっていたとしても、猫が都合のいいタイミングで入ってくることなど期待してはいけない。

夜、どれだけお布団に誘っても入ってこなかった猫が、朝そろそろ起きようかと思っているときに限って入ってくる。

温かいお布団の誘惑にようやく打ち勝って、今から起き出して顔を洗って朝食を食べて仕事なり学校なりに出かけようという、まさにその瞬間に猫は入ってくる。そして目を細めて喉をごろごろ鳴らしはじめる。



朝のお布団が最高なのだということを猫はちゃんと知っているのだ(猫の目をごまかすことはできない)。



秋が深まる頃に思い出すのは、まあ猫が入ってきちゃったんだから仕方ないかと心から納得してそのまま二度寝するのが、あらゆる寝坊の中で最高の寝坊であるということ。

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