宝は非実用情報の中にある [Diary]
連休中、ふだんできないRenji Talkのアウトライナー関連コンテンツの更新とブラッシュアップを集中的にやっていました。
それで気がついたのは、自分でいちいち「非実用的な情報ですが」みたいな断り書きをつけているケースが多いということ。断り書きというと聞こえはいいけど、ま、言い訳ですね。たぶん、何カ所もあると思います(記念に残しておきます。とりあえずは)。
でも、そんな言い訳をしながらも、本当にパワーのある情報というのは、非実用情報と切り離せないのだということを経験的に知っているし、むしろ本当に実用的な情報というのは、本来非実用的なものの中に埋もれているものだということも知っています。
実用情報だけを取り出したものしか求められなくなっているし、手に入らなくなっている。そのことが、いろんなことをつまらなくしていると思います。必要なのは、非実用情報を排除することではなく、非実用情報まで含めて読ませてしまう面白さなのです。
たとえば、パソコンのマニュアル本で、分厚い「なんとかバイブル」と題された本はすっかり定番ですが、その元祖と思われる初期の「マッキントッシュ・バイブル」(アーサー・ネイマン(Arthur Naiman)が編集に関わっていた時代の)は、読み物としても本当に面白いものでした。
読み物として面白いということは、努力しなくても読めるし、実際に何度も繰り返して読むということです。そうしているうちに、その中にちりばめられている実用情報が、自然に自分の中に浸透してきます。
もともとはマックを使う上での実用書として購入した(いや、最初は図書館で借りたんだった)この本は、ぼくの最大の愛読書のひとつになり、一時期はお気に入りのページをほとんど暗記していたくらいです。
あるいは、Renji Talkに日本語訳を載せている、昔のデイヴ・ワイナーの、それこそレアなアウトライナー関連の文書たち。
「そんなもの、いったいどうやって見つけたの?」という人がいるけれど、それは「最初から全部読んだから」です。そして、そんなことができるのは、ワイナーの文章がやっぱり読み物として面白いからです。
読んでいるうちに、(本来求めている)アウトライナー関連の情報だけではない、ある意味ナルシスティックな自己言及も含めた一見雑多な情報が、実はワイナーの仕事と直接間接に結びつき、深みを与えていることもわかってきます(そして、同時にこっちの理解にも深みを与えてくれます)。
こういうやり方は、一見効率が良くないようだけど、「実用的な情報が効率よく書かれているけどつまんなくて読めないような本」と、結果的にどっちがより多くの「実用情報」を吸収できるか。それはたぶん明らかです。
宝は、非実用情報の中にあるんです。
P.S.(1)
最悪なのは、実用情報だけが、非効率的に提供されるという状態だと思います。具体的に例を挙げることはしないけどさ。
P.S.(2)
これも今気づいたことですが、自分の「雑多な内容がいっしょに突っ込まれた読み物が好き」という傾向は、もしかすると「マッキントッシュ・バイブル」から来てるのかもしれません。
それで気がついたのは、自分でいちいち「非実用的な情報ですが」みたいな断り書きをつけているケースが多いということ。断り書きというと聞こえはいいけど、ま、言い訳ですね。たぶん、何カ所もあると思います(記念に残しておきます。とりあえずは)。
でも、そんな言い訳をしながらも、本当にパワーのある情報というのは、非実用情報と切り離せないのだということを経験的に知っているし、むしろ本当に実用的な情報というのは、本来非実用的なものの中に埋もれているものだということも知っています。
実用情報だけを取り出したものしか求められなくなっているし、手に入らなくなっている。そのことが、いろんなことをつまらなくしていると思います。必要なのは、非実用情報を排除することではなく、非実用情報まで含めて読ませてしまう面白さなのです。
たとえば、パソコンのマニュアル本で、分厚い「なんとかバイブル」と題された本はすっかり定番ですが、その元祖と思われる初期の「マッキントッシュ・バイブル」(アーサー・ネイマン(Arthur Naiman)が編集に関わっていた時代の)は、読み物としても本当に面白いものでした。
読み物として面白いということは、努力しなくても読めるし、実際に何度も繰り返して読むということです。そうしているうちに、その中にちりばめられている実用情報が、自然に自分の中に浸透してきます。
もともとはマックを使う上での実用書として購入した(いや、最初は図書館で借りたんだった)この本は、ぼくの最大の愛読書のひとつになり、一時期はお気に入りのページをほとんど暗記していたくらいです。
あるいは、Renji Talkに日本語訳を載せている、昔のデイヴ・ワイナーの、それこそレアなアウトライナー関連の文書たち。
「そんなもの、いったいどうやって見つけたの?」という人がいるけれど、それは「最初から全部読んだから」です。そして、そんなことができるのは、ワイナーの文章がやっぱり読み物として面白いからです。
読んでいるうちに、(本来求めている)アウトライナー関連の情報だけではない、ある意味ナルシスティックな自己言及も含めた一見雑多な情報が、実はワイナーの仕事と直接間接に結びつき、深みを与えていることもわかってきます(そして、同時にこっちの理解にも深みを与えてくれます)。
こういうやり方は、一見効率が良くないようだけど、「実用的な情報が効率よく書かれているけどつまんなくて読めないような本」と、結果的にどっちがより多くの「実用情報」を吸収できるか。それはたぶん明らかです。
宝は、非実用情報の中にあるんです。
P.S.(1)
最悪なのは、実用情報だけが、非効率的に提供されるという状態だと思います。具体的に例を挙げることはしないけどさ。
P.S.(2)
これも今気づいたことですが、自分の「雑多な内容がいっしょに突っ込まれた読み物が好き」という傾向は、もしかすると「マッキントッシュ・バイブル」から来てるのかもしれません。
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