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「ていねいであること」が許されない世界 [Thoughts]

彼女がいる時間に彼はいなくて/彼が起きてる時間に彼女は寝ていて/彼女に山ほど話があるとき彼の頭は飽和していて/彼が楽しい気分のとき彼女は不機嫌で/彼女のメールは彼の会議中に来て/彼が彼女に聞かせる楽しい話を思いつくのが月曜朝の通勤電車の中だったとしても、そんなズレは人との関係の中でいくらでも起きることだし、当然のことだ。

なによりも、日々顔を合わせて目的のない時間をていねいに積み重ねながら、そしてていねいに言葉を選びながら待っていれば、私とあなたが自然に一致するタイミングというのは必ずやってきて、この種の些細なズレの多くは解消していく。

でも今の時間の流れの中で「目的のない時間」ほど手に入りにくいものはないし、ていねいに言葉を選ぶこともタイミングを待つことも加速度的に困難になっていく。そして些細なズレはお互いの中で解消されないまま、ある場合には腐っていったり大きな傷に広がっていったりする。

人との関係だけじゃなく仕事でも、この「ていねいであることが許されない」感じは加速している。

実際に起きる個別の問題点以上に、必要なていねいさを持って生きることができないことが、ものすごく骨身にこたえることがある。

「ていねいであること」が許されない世界は、絶対に良くならない。

結局どんなツールもスキルもハックもテクニックもマーケティングも、結局「ていねいであること」にはかなわないんだから。

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