説明しながらアウトラインを書く [アウトライナー]
この動画、以前も紹介したことがあるけど、アウトライナー好きなら一見の価値があるのであらためて。
内容は、デイブ・ワイナーがアウトライナーの歴史を自分自身のキャリアと絡ませながら説明するスクリーンキャスト。ワイナーは最初の(商品としての)アウトライナーを創った人なので、当然ながらそのキャリアとアウトライナーの歴史は密接にリンクしている。
※アウトライナー誕生の経緯についてのワイナー自身の文章(拙訳):
→デイブ・ワイナー「アウトライナーとプログラミング」
動画の話に戻ると、ここでワイナーが行っているのは要するにアウトライナーを使ったプレゼンテーションだ。
プレゼンというと、PowerPointやKeynoteを使って、あらかじめ作り込んだスライドを順番にみせていくやりかたをイメージすると思う。でもワイナーがやっているのはまったく逆だ。ワイナーは考え、話しながらその場でアウトラインをつくっていく。
話の足跡がアウトラインの形でリアルタイムで画面に残り、なおかつアウトライナーの機能を使って適宜入れ替えることで体系化され、位置づけられていく。また適宜アウトラインを折りたたみ・展開することによって、それまでの話の全体像を把握しやすくする。最初に見たときには、話の焦点にこちらの焦点が吸い寄せられるような感覚を抱いた。
もちろんこれはスクリーンキャストだし、いわゆる「プレゼン」全てに適してるとは言えないけど(製品発表とかには向いてない)、ストーリーがかっちり決まっていなかったり、状況によって話が行きつ戻りつするような場合、比較的カジュアルな場合には、スライドより向いている気がする。
また、聴衆からの質問やその回答もいっしょに書き込んでアウトラインに組み込んでしまえるのも、通常のスライドにはない魅力。その意味では、会議やミーティングのアジェンダ兼議事録としても強力だ。
参考:ミーティングでのアウトライナー使用についての記事
→ワードのアウトライン機能が正しく使われてる世界を妄想する
■
ちなみにこの動画は2012年のもので、使われているアウトライナーはOPML Editorというワイナー自身が開発したもの。内蔵したスクリプト言語で自らの機能を無限に拡張できるという、化け物みたいなアウトライナーだった。古いMacユーザーなら、かつてのUserland Frontierの後身(オープンソース化したもの)と言えばわかるかもしれない。
現在のワイナーは、執筆も開発もWEBベースのアウトライナーFargoとJavaScriptの組み合わせに移行しているけど、アウトライナーとしてのFargoのUIと操作性はOPML Editorを踏襲している。
内容は、デイブ・ワイナーがアウトライナーの歴史を自分自身のキャリアと絡ませながら説明するスクリーンキャスト。ワイナーは最初の(商品としての)アウトライナーを創った人なので、当然ながらそのキャリアとアウトライナーの歴史は密接にリンクしている。
※アウトライナー誕生の経緯についてのワイナー自身の文章(拙訳):
→デイブ・ワイナー「アウトライナーとプログラミング」
動画の話に戻ると、ここでワイナーが行っているのは要するにアウトライナーを使ったプレゼンテーションだ。
プレゼンというと、PowerPointやKeynoteを使って、あらかじめ作り込んだスライドを順番にみせていくやりかたをイメージすると思う。でもワイナーがやっているのはまったく逆だ。ワイナーは考え、話しながらその場でアウトラインをつくっていく。
話の足跡がアウトラインの形でリアルタイムで画面に残り、なおかつアウトライナーの機能を使って適宜入れ替えることで体系化され、位置づけられていく。また適宜アウトラインを折りたたみ・展開することによって、それまでの話の全体像を把握しやすくする。最初に見たときには、話の焦点にこちらの焦点が吸い寄せられるような感覚を抱いた。
もちろんこれはスクリーンキャストだし、いわゆる「プレゼン」全てに適してるとは言えないけど(製品発表とかには向いてない)、ストーリーがかっちり決まっていなかったり、状況によって話が行きつ戻りつするような場合、比較的カジュアルな場合には、スライドより向いている気がする。
また、聴衆からの質問やその回答もいっしょに書き込んでアウトラインに組み込んでしまえるのも、通常のスライドにはない魅力。その意味では、会議やミーティングのアジェンダ兼議事録としても強力だ。
参考:ミーティングでのアウトライナー使用についての記事
→ワードのアウトライン機能が正しく使われてる世界を妄想する
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ちなみにこの動画は2012年のもので、使われているアウトライナーはOPML Editorというワイナー自身が開発したもの。内蔵したスクリプト言語で自らの機能を無限に拡張できるという、化け物みたいなアウトライナーだった。古いMacユーザーなら、かつてのUserland Frontierの後身(オープンソース化したもの)と言えばわかるかもしれない。
現在のワイナーは、執筆も開発もWEBベースのアウトライナーFargoとJavaScriptの組み合わせに移行しているけど、アウトライナーとしてのFargoのUIと操作性はOPML Editorを踏襲している。
この動画、久しぶりにじっくり見ました。Mac の Thinktank の位置づけ、短い説明なのに、位置を変えたり戻したりと印象的で、とくに好きなところです。論理構造がガチガチに固めたものでなく、緩くて流動的、いい意味で適当、ということが伝わってくる点も気に入ってます。
アウトライナー史の話題から、誰が何のために使うのかという説明に移動する部分もいいですね。Keynote のようなスライドソフトだと、どうしても流れを戻す違和感があるのですが、アウトライナーだと、話のスケールをズームアウトして、項目どうしの位置づけを見せながら別項目へ自然にズームインできることが、うまく伝わってきますね。このあたりは、何度か真似したことがあります。
Tak. さんや Dave のブログで刺激され、この 1-2年、少しでもアウトライナーを使った、動的 (ダイナミック) なプレゼンやミーティング、講義などを増やしたいと強く思うようになりました。できる範囲で実践しているつもりですが、さらにその気持ちが強まりました。
アウトライナーからその場でウェブページをつくるところは、今見てもぞくっとします。でもこのあたりは、まだ実践できてません。
by gofujita (2014-05-24 12:27)
gofujitaさん
「話のスケールをズームアウトして、項目どうしの位置づけを見せながら別項目へ自然にズームインできる」というのがまさにポイントだと思います。
スライド型のプレゼンだと、丁寧に作り込めば作り込むほどまるで紙の文書のように順番に縛られてしまう気がします。
一方的に説明するのが目的なら(それこそ製品発表とか)その方がいいと思いますが、そうじゃない場面もたくさんありますよね。
ワイナーさんの例のように話ながらアウトラインを作るという方法もあるし、あらかじめアウトラインを作っておくというのもありだと思います。
(いろいろ書いておきながら、ぼく自身は職場ではほとんど実践できてないのですが…)
by Tak. (2014-05-25 19:27)
gofujitaさん
>アウトライナーを使った、動的 (ダイナミック) なプレゼンやミーティング、講義
これ、すごい興味あります。ものすごく見たい。聴衆の方の反応はいかがですか?
by cube (2014-05-26 12:54)
Tak.さん
そうですね。スライド型の弱点は、この「縛られてしまう」ことだと思っています。あと、論理の矛盾や飛躍を見のがし (ごまかし) やすい点も、スライド型の要注意点ですよね。
by gofujita (2014-05-27 10:37)
cube さん
ぼくも、紹介できるほどのことは、できてません。その中で手応えがあったのは、講義 (大学) の最初と最後で、参加者 (学生) の議論の内容を可視化して整理したときでしょうか。
プロジェクタを使い、講義のテーマを質問文にしたアウトラインを OmniOutliner で見せながら、参加者に答えの案を出してもらいながらその場でリスト化し、できる範囲で構造化しました。そして、こちらの説明 (残念ながら?これは Keynote のスライドが中心) を聞いてもらったあと、考えが変わったかどうか、最初につくったアウトラインを見ながら意見をだしてもらい、また、構造をつくり直すという手順です。
みんな最初は「なんだこれは!」という顔をしていましたが、多くの人はすぐこちらの意図を理解したようでした。参加者はたしか、20人くらい。
by gofujita (2014-05-27 10:40)
gofujitaさん
想像しただけでわくわくしてきます。フィードバックによって思考が変化していく様子を可視化できると、学習効果も高そうですね。
教える側と教わる側との共同作業の結果、予想していなかった講義に育っていく、ということもあり得る気がしました。
最近gacco(http://gacco.org/)というサイトで提供されている大学の講義を視聴しています。動画の横に、講義内容をそのまま文字に起こしたスクリプトが掲載されているのですが、これをアウトライン化して表示するだけでも講義の内容は変わってくるんだろうな、と思ったりしました。
「話し言葉と書き言葉」の情報量の差というものも面白いですね。
by cube (2014-05-28 23:57)