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生たぬき [Diary]

実家からの帰り道、猫スポットである石材店の敷地をのぞき込んでいたら、たぬきがいました(猫もいたけど)。たぬきを生で見るのはたぶんはじめて。場所は曹洞宗大本山総持寺の横、東海道線の線路から道ひとつ隔てただけのところ。幻かと思ったけど、Tomo.さんもはっきり見ているので、たぶん本物のタヌキでしょう。

ところで、キジ猫のことを、うちの実家では伝統的に「たぬき」と呼びます。いつ頃からか知らないけど、あらゆるキジ系統の猫は、うちでは自動的に「たぬき」という名前になるのです。正確にいうとキジトラは「しまだぬき」、うずまき模様が入ってるのは「うずだぬき」。

小さい頃、うちには何代目かの「しまだぬき」がいて、幼稚園の先生に「うちにはたぬきがいるんだよ!」と言ったら全く信じてもらえず、しかも「ウソはいけませんね」と諭されて深く傷ついた、というのは、ぼくのいちばん初期の記憶のひとつです(そして、今の人格が形成された原点かもしれない)。

たぬきと聞くと自動的にそのことを思い出すんだけど、考えてみると生たぬきを見かけた石材店の敷地は、かつてその幼稚園があった場所だということに思い当たり、一瞬興奮しました。

たぬきはなすびみたいな形で、わりにかわいかったです。写真撮ればよかった。

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 [Diary]

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戦争の話(2) [Diary]

4年半ほど父親の仕事の都合でアメリカに住んでいたことがあります。日本でいうと小学校1年から5年の途中まで、現地の公立小学校に通っていました。その3年生のときの担任は、ミスター・ブロンコという男の先生で、この先生は、今まで出会った中でいちばんいい先生の一人だったと今でも思っていますが、そのミスター・ブロンコが一度だけ戦争の話をしてくれたことがあります。1978年のことです。

それは確か12月7日(真珠湾攻撃の日)のことで、その日の授業で、戦争についての教材を読むようなことがあったんだと思います。そのとき、ミスター・ブロンコが突然「戦争について話そう」と言って話しはじめたのをよく覚えています。

日本と戦争をしていた頃、私は二十歳で、海軍にいて、空母に乗り組んでいた。その空母は、みんなが想像するような大きくて立派なやつじゃなくて、戦争に間に合うように大急ぎで間に合わせに造ったような、小さくてペラペラな情けないやつだった。こんなもので戦争ができるのかと思ったけど、それに乗ってオキナワに出撃することになった。

その数ヶ月後に日本は降伏して戦争が終わったから、幸い自分も仲間も、無事に帰ってくることができた。でも、何回か恐ろしい経験をした。

艦隊は何度かカミカゼの攻撃を受けた。頭から離れないのは、その音だ。突然上空に日本機が現れ、自分たち目がけて突っ込んでくる。そのときの「音」。その恐ろしさを、口で説明することは不可能だ。それは自分には金切り声のようにも、悲鳴のようにも聞こえる。艦から対空砲が狂ったように打ち上がり、その中では他のどんな音も聴こえないはずなのに、その「悲鳴」だけは聴こえる。這いつくばって耳を塞いでも、その恐ろしい悲鳴からは逃れられない。実際にカミカゼが命中したことは一度もなかったし、艦隊には被害もなかった。でも、自分にとっての戦争とは、あの悲鳴とともに突っ込んでくるカミカゼだ。

そんな話。

ミスター・ブロンコは、日本人であるぼくがいることを意識して、敢えてその話をしたんだという気がします。そして、ぼくも彼の表情とともに、ほとんど一字一句、単語まで含めてその話を覚えていることに、改めて驚きます。

「悲鳴」と表現されたものから自分が無意識に感じ取る、恐怖、憎しみ、悲しみといった感覚が、たぶん自分の戦争というものに対する認識の原点のひとつになっていることを思えば、それはけっこう大きいことなんじゃないかと。

ああ、うまくいえないけど。
タグ:時間
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戦争の話(1) [Diary]

中学生の頃、地元の駅の周辺にある全ての本屋を回るのを日課にしていました。だいたい駅の東口の商店街からスタートして、大小の本屋を回った後、駅の自由通路を通って西口側に出て、ここでも本屋を回ります。

一時期、その途中でいつも見かけるおじいさんがいました。本屋の中で、あるいは西口と東口を結ぶ自由通路の途中で。週に数回は見かけたと思います。おじいさんはいつも色あせたシャツを着て、大きな袋を持って、戦時中のパイロットの飛行帽をかぶっていました。あの、眼鏡と耳当てのついた革の帽子。その古び方、よれ方は、一見してそれが本物であることを思わせました。

夏でも冬でも、必ず同じ帽子をかぶっていました。80年代前半の話だから、もしそれが戦争中のものだとすると、当時でも戦後40年以上は経っていたはずで、果たしてそんなに長持ちするものかどうかとは思うんですが、その帽子は確かに本物だと感じさせるものがありました。

中学を卒業した頃を境に、そのおじいさんのことを見かけなくなりました。



大学を卒業して就職した会社を辞めて大学院に通っていた頃、地元の本屋のひとつでバイトをしていました。中学生の頃は小さな街の本屋さんでしたが、その頃には駅ビルの、改札口とつながったフロアに大きな店を持つ、地元でいちばん大きな本屋になっていました。

その本屋の社長と話しているとき、何の気なしに、飛行帽をかぶったおじいさんのことを知ってますかと尋ねました。社長は一言、「ああ、最近見かけないね」と言いました。そして「あれは海軍だ」とも。

「わかるんですか?」
「自分も昔海軍にいたから」

自分はパイロットではなかったけれど、海軍航空技術廠というところで働いていたんだと社長は言いました。そこで戦闘機に積む機関砲の開発に関わってたんだと。そこでお客さんが来て、話は終わりました。

飛行帽をかぶったおじいさんのことを知っていたのか、それとも飛行帽の形で海軍だとわかったのかは、わかりません。

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今週の引用 [Diary]

「ここじゃないどこかへ、あなたでない誰かと。いやひょっとするとここかもしれないどこかへ、あなたかもしれない誰かと。」
(鴻上尚史「もうひとつの地球にある水平線のあるピアノ」)

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恋愛のとき重要な価値観の違い [Diary]

音楽を聴くか。
活字を読むか。
食べることが好きか。
どこまでも歩きたいか。
いつまでも話したいか。
煙草を吸うか。
手をつなぐか。
動物が好きか。
とても悲しいか。
とても寂しいか。
たくさん笑うか。
いっしょにいたいか。
たくさんしたいか。
たくさん生きたいか。
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本日の一言 [Diary]

「パンが濡れちゃいました……」(同僚)
タグ:一言
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今週のテーマ曲 [Diary]

"Death of A Dream" by Neal Casal


街角に立って
きっかけを待つ
これほど遠くまで来て
これほど多く証明するべきことが残っている

夢の死を
受け入れる前に
どれだけ目にしなければならない
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親子の社会的な会話? [Diary]

地下鉄の車内にて。
子「おかあさん、こようはどこ? ねえこようは?」
母「こようはもうないでしょ? もう大きいんだからね」

て、聞こえたんだけど。
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定期券についての素朴な欲望 [Diary]

希望はとてもシンプルで、1枚の定期券で、行きと帰り、別のルートを使いたい。

うちから都心に出るには大きく分けて2つのルートがあります。
ルートAは、朝は地下鉄直通の始発電車があるので、ほぼ全行程を座っていくことができるかわりに、遠回りで時間がかかる。
ルートBはまず座れないけど行きも帰りもルートAと比較して10分以上速い。

ならば、朝はルートAで座っていき、帰りは(どうせ座れないので)ルートBで早く帰りたい、という欲望を抱くわけです。今のICカード乗車券の技術とノウハウがあるなら実現できそうな気がするんだけど。
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